おはようございます、マイクです。FMラジオ「zenncast」、2026年1月3日、土曜日の朝7時になりました。みなさん、あけましておめでとうございます。今年もゆるっとテックなおしゃべりをお届けしていきますよ。この番組では、Zennで話題になっているトレンド記事をピックアップして、ラジオ感覚でざっくり理解してもらおう、というコンセプトでお送りしていきます。
今日はお便りコーナーはお休みで、そのぶんテックなお話をたっぷりめにお届けしていきたいと思います。
さて、今日紹介する記事は全部で5本です。セキュリティ、ロギング、エディタ、Rust入門、そしてLLM時代のブラウザ自動化という、かなりバラエティ豊かなラインナップになってます。通勤・通学中の方も、おうちでのんびりしている方も、耳だけ貸してもらえればだいたいの雰囲気がつかめるようにお話ししていきますね。
まず1本目。「新人エンジニアのための今度こそ理解するSSL/TLS超入門」という記事です。
HTTPSって、とりあえず「暗号化されてて安全」くらいのイメージで止まってる方、多いと思うんですが、この筆者はそこをちゃんと3つに分解してくれてます。「盗聴防止」「改ざん防止」「接続先サーバーの真正性確認」、この3つをまとめて面倒みているのがSSL/TLSなんですね。そのカギになっているのが、サーバー証明書と認証局、いわゆるCAです。「このサーバーは、このドメインの本物の持ち主だよ」と保証してるのがサーバー証明書で、その証明書自体がホンモノかどうかを、ブラウザやOSがあらかじめ信頼しているCAの証明書を使って検証している。だから自己署名証明書、いわゆるオレオレ証明書だと、第三者の保証がないのでブラウザが警告を出すわけですね。記事では、TLSハンドシェイクでどうやって共通鍵を安全にやり取りしてるのか、証明書をコピーしただけではなりすましできない理由、中間者攻撃がなぜ怖いのか、なども丁寧に追いかけています。そして最後に、「HTTPSだからといって内容まで安全とは限らない」「フィッシングサイトもHTTPSを使える」というところにもちゃんと触れていて、セキュリティを“雰囲気”じゃなくて仕組みから理解したい新人さんに、すごくちょうどいい入門になっています。
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続いて2本目。「2026年版:JavaScript/TypeScriptのロギング入門」という記事です。
本番環境のトラブルって、結局“ログがちゃんと出てるかどうか”で調査難易度が全然変わりますよね。でも、なんとなくでconsole.logを埋めていくと、いざ障害が起きたときに「欲しい情報がない」「ノイズが多すぎて読めない」という、あるある地獄になる。この記事では、まず「まともなロギング基盤に必要な要素って何?」という整理から入ってくれます。ログレベルでのフィルタリング、モジュールごとのカテゴリ、出力先を差し替えられる“シンク”の考え方、あと構造化ログとか、リクエストIDをはじめとしたコンテキスト付与ですね。で、それを現代のJS/TS環境、Node、Deno、Bun、ブラウザ、エッジ全部で動くように、“依存ゼロ”で実現しているLogTapeというライブラリを紹介しています。カテゴリの継承とか、JSONでのきれいな出力、複数シンク、非同期出力、機密情報のマスキング、AsyncLocalStorageを使ったリクエストトレーシングなんかも押さえつつ、ライブラリとして組み込んだときに「設定しない限り勝手にログを出さない」という哲学もあって、かなり実務寄り。console.logからもう一歩だけちゃんとしたい、でもオーバーキルな巨大ログ基盤はイヤ、っていう現場のニーズに刺さる内容です。
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3本目はエディタ好きにはたまらないテーマ。「新たな始まり:Vim/Neovimを再起動させるRestartコマンド」です。
VimやNeovimを使ってると、設定ファイルをいじったあと、つい`:source`で再読み込みしちゃいますよね。ただ、あれって実は古い設定が残ったりして、原因不明の不調のもとになることがあるんです。本当は一回ちゃんと終了して、キレイな状態で起動し直すのがベスト。でも、今開いてるファイルとかウィンドウレイアウトを全部復元するのは面倒くさい。そこで筆者が推しているのが、セッション機能を活用した「Restartコマンド」です。いったん今の状態をセッションに保存して、エディタを終了、そのあとそのセッションを読み込んで起動し直すことで、「再起動したのに、さっきの続きから編集できる」というわがままを叶えてくれます。Neovim側は組み込みの`:restart`をうまく拡張するLua実装を紹介していて、一時セッションの扱いとか、特殊ウィンドウの掃除、既存セッションとの共存など細かいところまで気が利いている。一方で、純正Vim向けには、終了コードをトリガーに再起動するbashラッパー+Vim script版`:Restart`というアプローチを見せてくれます。`cabbrev`で`:rst`みたいな短いコマンドにする小ネタもあって、設定をいじりながら「ちょっと重くなってきたな」と感じたときに、気軽に再起動できるワークフローを提案しているのが面白いです。
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4本目は言語の根っこを掘る話。「Rust における『変数』を本気で理解する」。
筆者はVueやTypeScriptの経験が長いフロントエンド出身ということで、JavaScriptと比較しながらRustの「変数」の振る舞いを解説してくれます。Rustは`let`がデフォルトで不変、再代入したいなら`mut`が必要、というのは有名ですが、もう一つポイントなのが“シャドーイング”です。同じ名前で再宣言できる、っていうやつですね。ただ、これは「同じ変数を上書きしている」んじゃなくて、「新しい変数を作り直している」と考えるのが大事だと。これによって型を変えたり、所有権を取り直したりといった“値の変換”を、状態変更とは別物として書けるようになる。Rustでは、このシャドーイングをうまく使って、状態を最小限に保ちながら、安全なコードを書いていこうね、という思想が貫かれています。さらに`const`も、JSの「再代入はできないけど中身は変更できるconst」とは違って、コンパイル時定数でガチ不変だよ、という話にも触れています。全体として、「Rustの変数ルールってなんでこんなに厳しいの?」という疑問に対して、「それは所有権とかライフタイムの思想とセットで、安全性をコンパイラが保証しやすくするためなんだ」と腑に落とさせてくれる内容になっています。
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そして最後、5本目。「2026元日、Playwright MCPに触れて気づいた、LLM時代のブラウザ自動化の新しいパラダイム」という記事です。
Playwrightといえば、DOMやセレクタを人間が指定してテストを書いていく、モダンなE2Eテストフレームワークですよね。一方でPlaywright MCPは、「LLM向けのMCPサーバー」という立ち位置で、そこが決定的に違う。筆者はポイントを「Webページの表現方法」にあると整理しています。Playwright MCPでは、ページをアクセシビリティツリーベースのARIA Snapshotとして、YAML形式でLLMに渡す。スクリーンショット+Visionモデルで“画面を読ませる”アプローチと比べて、もっと決定論的で、軽くて、意味構造がはっきりしている、LLMに最適化されたインターフェースなんですね。MCP自体が「LLMとツールをどうつなぐか」の標準仕様になりつつある中で、このPlaywright MCPは、探索的テストやプロトタイピングみたいな“まだ仕様がカチッとしてないフェーズ”を得意としつつ、最終的な確定フローは従来のPlaywrightに落とし込んでいく、という補完関係が見えてきたと語っています。さらに、ARIAベースでページを扱うことは、そのままアクセシビリティ改善ともつながるので、AIエージェントがブラウザを自律操作する世界の基盤にもなりうる、と。ブラウザ自動化を「テストの道具」から「エージェントのインターフェース」へと拡張して捉え直す、そんなパラダイム転換を感じさせる内容でした。
というわけで、きょうのzenncastは、
・SSL/TLSの超入門で、HTTPSの3つの役割と証明書・CAの仕組みをざっくり押さえつつ、
・JavaScript/TypeScriptのロギング入門で、console.logから一歩進んだログ設計を眺めて、
・Vim/NeovimのRestartコマンドで、快適な再起動ワークフローにニヤニヤしながら、
・Rustの変数の考え方で、「不変」と「シャドーイング」の思想をかみしめて、
・そしてPlaywright MCPから、LLM時代のブラウザ自動化の新しい形をのぞき見する、
そんな5本立てでお届けしました。
気になった記事があった方は、詳しい内容や元の記事タイトルはショーノートにまとめてありますので、あとでゆっくりチェックしてみてください。この番組「zenncast」では、感想や「こういうテーマ取り上げてほしい!」といったリクエストも常に募集しています。日々の開発のモヤモヤや、最近ハマっている技術の話など、なんでも送ってもらえるとマイクが喜びます。
それでは、2026年最初の週末、よい一日をお過ごしください。ここまでのお相手はマイクでした。また次回のzenncastでお会いしましょう。バイバーイ。