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2025/12/6
今日のトレンド

CodexのSkillsとTailscaleの環境整備

どうもー、おはようございます。マイクです。
「zenncast」日曜の朝のお時間がやってまいりました。
今日は2025年12月7日、日曜日の朝7時です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。これからZennで今日トレンドになっている記事を、まとめてご紹介していきます。

今日は全部で5本の記事をご紹介します。技術好きな方はもちろん、「最近のエンジニア界隈どんな感じ?」って人にも楽しんでもらえるラインナップになってますよ。

まず1本目。タイトルは「CodexについにSkillsが来たので徹底解説」。
これはCodex CLIに、Claude Code由来の「Skills」っていう新機能が入ったよ、というお話です。ポイントは「段階的開示」。ホームディレクトリ以下にSKILL.mdを置いておくと、最初はnameとdescriptionだけLLMに渡して、必要になったタイミングで本文のプロンプトを読み込んでくれる仕組みになっています。
これまではAGENTS.mdみたいな、全部入りの情報を毎回読ませてコンテキストを圧迫しがちだったのが、「本当に必要なときだけ詳しいマニュアルを読む」スタイルになった感じですね。
記事では、エラー調査と日本語レポート自動生成をやってくれる「error-analyzer」ってSkillの実例が紹介されています。「エラー調べて」と頼むと、LLMが自分でヒアリングして、ログを見て、Markdownレポートまで仕上げてくれるという、かなり頼もしいやつです。
一方で、現状はconfigで明示的に有効化が必要だったり、Skillsがグローバルにしか置けなくてプロジェクト単位で切り替えられないのが不便、という課題も触れられています。
おもしろいのは、MCPとSkillsの役割の違いも整理されているところ。MCPは外部サービスへの窓口、Skillsはあらかじめ用意したプロンプト群を「いつ、どう使うか」の運用仕組みだよ、という位置付けです。
まとめると、「必須の共通情報はAGENTS.mdに、状況に応じて自動で使ってほしい知識はSkillsに」という棲み分けを提案していて、日々LLMと付き合っている人にはかなり実践的な内容になっています。

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続いて2本目。タイトルは「Tailscaleを利用して開発環境を整える」。
これは仮想通貨botを触っている方向けに書かれた記事なんですが、個人開発者全般にめちゃくちゃ刺さる内容です。TailscaleというVPNサービスを使って、自宅のLinuxサーバを「どこからでも同じ環境で触れる開発マシン」にしよう、という話ですね。
TailscaleはWireGuardベースで、無料プランでもかなりの台数をつなげます。magicDNSを使うと、面倒なIPアドレスじゃなくてマシン名だけでSSHしたり、ブラウザからダッシュボードにアクセスできるようになるんですね。
記事では、自宅サーバでbotやGrafanaを動かして、外出先からMacbook ProでVS CodeのRemote SSHにつないで開発、という構成が紹介されています。損益グラフとか、あんまり外に出したくないダッシュボードも、VPN内だけで安全に見られるのがポイント。
ドメインを取ったり証明書を管理したり、OIDCをがっつり設定したりしなくても、そこそこのセキュリティと快適さを両立できる、個人開発向きのバランスの良さが強調されています。
一方で、Tailscale側に障害があると新規接続ができなくなるリスクもちゃんと触れられていて、重要な用途では踏み台サーバなどの逃げ道も考えたほうがいいよ、という冷静な注意喚起もあります。
「自宅サーバ眠ってるなあ」とか「開発環境を外から安全に触りたい」と思っている方には、かなり具体的な参考になる記事です。

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3本目。タイトルは「情シスの休日:個人ホームページを WordPress から Hugo + AWS へ移行して、コストを 1/100 にした話」。
これは、長年運用してきた同人サークルのホームページを、思い切ってフルリプレイスした体験記です。最初は自宅サーバーのWordPressから始まり、VPS、Headless WordPressと進化してきたものの、月3000円近いコストやベンダーロックイン、ミドルウェアの保守に疲れてきた…というところから話が始まります。
そこで選んだのが、静的サイトジェネレーターのHugoと、S3+CloudFrontの組み合わせ。コンテンツはGitHubで管理、メディアは別のS3バケットに分けて、DNSとCDNはCloudflare、IaCはTerraform、CI/CDはGitHub Actions、と、かなりモダンな構成に整理し直しています。
面白いのは、既存のWordPressテーマを、エクスポートしたHTMLとCSSを元にHugoテーマとして移植しているところ。Copilotを活用してテンプレート化したり、SEOや埋め込み、Cookie同意などもHugoと自作コードで代替しています。
さらに、tfactionでTerraformを管理しつつ、差分検知で無駄なS3アップロードを抑えたり、プルリクごとに評価環境を自動デプロイしたり、TrivyやRenovateでセキュリティと更新を自動チェック。結果、「放置しても腐りにくい」構成を実現しているんですね。
コストはなんと約1/100、数十円/月レベルまでダウン。記事では「一度頑張って仕組みを作れば、あとはMarkdown書いてPushするだけ」という快適さが語られていて、「そろそろWordPress卒業してもいいかな…?」と思っている人の背中を押す内容になっています。

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4本目。タイトルは「テストも捨てやすく作ろう」。
テストを書く話はよく見かけますが、「捨てやすさ」にフォーカスした記事はちょっと珍しいですよね。ここでいう「捨てやすい」は、テストをぞんざいに扱えという意味ではなくて、目的と責務がはっきりしていて、不要になったときに他に影響を広げずに気持ちよく削除できる状態のことを指しています。
テストって、ユーザー価値を直接生むわけではないのに、CIの時間やリソースはしっかり食う存在です。だからこそ、本当に価値のあるテストだけを、きちんと維持していこうよ、という考え方なんですね。
記事ではE2Eテストを例に、長いユーザーフローを責務ごとに分割すること、テスト名とAssertで「何を検証しているのか」を明確にすること、テスト同士を依存させず独立して実行できるようにすること、といった具体的なテクニックが紹介されています。
Page Object Modelやヘルパー関数を使って関心を分離したり、セットアップとクリーンアップを丁寧に設計することで、テストアーキテクチャそのものの高凝集・疎結合を目指す、という視点も印象的です。
最終的なメッセージは、「このテストは捨てやすいか?」という問いを投げかけることで、テスト群全体の健全性を測ろう、というもの。増やすことよりも、「いつでも減らせる」状態を保つことの大切さを教えてくれる記事です。

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そして最後、5本目。タイトルは「状態管理ライブラリを激推しする記事」。
Unityエンジニアの筆者が、状態管理ライブラリの良さと、「よい状態の設計」について熱く語っています。状態管理ライブラリを入れると、依存関係や重複した定義が減って、たとえば合計金額みたいな「ほかの状態から計算される値」もシンプルに、明示的に書けるようになる。その結果、状態の更新と購読の扱いが統一されて、開発体験がグッと良くなるんですね。
記事の肝になっているのが、「かめさいこお」という覚えやすい設計の合言葉。内容としては、まず型にこだわってIDにも専用型を使うこと、状態名を工夫して役割をはっきりさせること、スコープを最小にして画面単位で分離すること、依存関係をコードで可視化すること、マスターデータはコピーせず参照で扱うこと、そして画面やシーンごとに状態の置き場を整理すること、などが挙げられています。
これらを守ることで、仕様を安全かつ読みやすくコードに落とし込める、というわけですね。
Unityの話がベースではあるんですが、「状態が散らかりがちなアプリ」を作っている人にはかなり共感できる内容で、設計のチェックリストとしても使えそうな記事でした。

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というわけで今日は、
Codexに新登場したSkillsの仕組みと使い分けの話、
Tailscaleでお手軽かつ安全に開発用VPNを整える話、
WordPressからHugo+AWSへ移行してコストを1/100にしたサイト運用の話、
「捨てやすさ」をキーワードにしたテスト設計の話、
そして、状態管理ライブラリと「よい状態」の設計指針のお話、
この5本をご紹介しました。

気になる記事があれば、詳しい内容は番組のショーノートにまとめてありますので、あとでゆっくりチェックしてみてください。
番組の感想や、「こんなテーマも取り上げてほしい!」といったリクエストも大歓迎です。あなたの一言が、次回のzenncastのネタになるかもしれません。

それでは、そろそろお別れの時間です。
お相手はマイクでした。次回のzenncastで、またお会いしましょう。お楽しみに。

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