こんにちは、みなさん!「zenncast」のマイクです。今日は2024年6月30日、日曜日です。今日もZennでトレンドの記事を紹介していきますよ!
さて、前回紹介した記事を覚えていますか?「React Server Componentsを理解したい」、それから「プロンプトの試行錯誤をラクにしたい!プロンプトのマネージメントツールの調査✏️」、さらに「Gemini API の Function Calling 機能で LLM Agent を実装する」。どれも面白い記事でしたね。
今日は5つの注目記事をご紹介します。それでは早速始めましょう!
まず1つ目の記事は、「知らないとあぶない、Next.js セキュリティばなし」です。
この記事では、Next.jsを使う際に注意すべきセキュリティのポイントを3つ取り上げています。特に入門者が陥りやすい罠を中心に解説しています。
1つ目は、Client Componentのpropsから露出するリスクです。機密情報を含めると、外部に漏れてしまう可能性があります。対策としては、DTO(データ転送オブジェクト)を使い、必要最低限の情報だけを渡すことが推奨されています。また、Prismaの新機能を利用して特定フィールドをグローバルに除外することも有効です。
2つ目は、Server Actionsの引数に注意することです。ブラウザからのPOST通信を受けるため、引数を詐称される可能性があります。例えば、ユーザーIDを引数として渡すと、そのIDが偽造され他のユーザーの情報が更新されるリスクがあります。対策として、操作されたくないデータはServer Actions内部でセッションから取得し、引数として渡さないようにすることが重要です。
3つ目は、認証チェックをやってはいけない場所、やって良い場所です。middlewareやlayoutでの実装は適切ではなく、認証チェックはpageやserver actionsで個別に行うことが推奨されます。
以上、Next.jsを使う際のセキュリティ上の注意点を紹介しました。これらの罠に注意し、安全なアプリケーションを構築しましょう。
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次に2つ目の記事、「BiomeがforEachではなくfor...ofを推す理由を処理速度の観点から見る」です。
この記事では、JavaScriptの`forEach`よりも`for...of`を推奨する理由について、特に処理速度の観点から詳しく説明しています。BiomeのLinterルールでは、`forEach`の使用を避け、`for...of`を使用するように推奨しています。その理由は、`forEach`を使用すると、大規模な配列を操作する際にパフォーマンスの問題が生じやすいためです。
`forEach`を使用すると、`map`や`filter`などのメソッドと組み合わせてチェーンすることが一般的ですが、これにより配列を何度も反復処理することになります。一方、`for...of`を使用すると、`continue`や`break`を使って単一の反復処理でロジックを完結させることができ、パフォーマンスの向上が期待できます。
実際の計測結果として、単純な処理では`forEach`の方が速いものの、複数のメソッドチェーンを使用すると`for...of`の方が効率的であることが示されています。これは、メソッドチェーンが配列に対して何度も読み込みを行うために生じるパフォーマンスの差によるものです。
最終的に、`for...of`を使うことでコードが明示的になり、読みやすさが向上するだけでなく、パフォーマンス面でも優位性があることが確認されました。
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さて、3つ目の記事は、「プログラム、下から作るか?上から作るか?」です。
プログラムの作成方法には「下から書く方法」と「上から書く方法」があります。下から書く方法は、小さな部品を一つずつ作成し、最終的にそれらを組み立てていく手法です。一方、上から書く方法は、大まかな枠組みを先に作成し、その後で詳細な部分を埋めていく手法です。
記事では、Pythonを用いて「下から書く」方法の具体例としてパーコレーション問題を取り扱っています。Union-Findアルゴリズムを使い、ノードのクラスタリングを行う`find`と`union`関数を作成し、確率的にノードを接続する`mc_onestep`関数を作り、その結果を可視化する`show`関数を作成します。最終的に、パーコレーション確率を計算する`mc_average`関数を作成し、結果をファイルに出力する`mc_all`関数を実装します。
一方、「上から書く」方法の例として、LAMMPSの出力ファイルを解析するスクリプトの作成を紹介しています。まず、全体の枠組みとなる`main`関数を作成し、次にファイルを読み込む`read_file`関数、その中で原子情報を読み込む`read_atoms`関数を作成します。最後に、温度を計算するための`temperature`関数を作成し、各フレームごとの温度を表示します。
どちらの方法にも共通しているのは、少し書くたびに結果を確認し、想定通りに動作しているかを確認することの重要性です。このように段階的に進めることで、後々のバグ修正の手間を大幅に削減できます。
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次に4つ目の記事、「Conformで作るWeb標準なフォーム」です。
Conformは、RemixやNext.jsといったフレームワークをサポートするライブラリで、クライアントサイドとサーバーサイドのフォームバリデーションを同じ記述で実装できます。この記事では、Conformを使うことでWeb標準なフォームを作成する方法について解説しています。
Conformは、`getFormProps`や`getInputProps`といったヘルパーを提供しており、アクセシビリティに配慮したフォームを簡単に作成できます。例えば、フォーム要素やフォームコントロールの`id`属性と`aria`属性が自動的に設定され、エラーメッセージの表示などが標準に準拠した形で行われます。
また、Web標準なフォームで配列やオブジェクトなどの構造化されたデータを扱う際にも、Conformを使うことで適切にマークアップできます。例えば、`getFieldList`や`getFieldset`を使うことで、配列要素やオブジェクトの子フィールドに簡単にアクセスでき、フォームデータを構造化して管理できます。
Conformを使用することで、Web標準に準拠したフォームの作成が容易になり、特にRemixやNext.jsを使うプロジェクトでの利用が推奨されます。詳細は公式ドキュメントを参照してください。
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最後に5つ目の記事、「Google I/O 2024で発表されたFirebase Data ConnectをVSCodeのエミュレーターで試してみた」です。
この記事は、Google I/O 2024で発表されたFirebaseの新機能「Firebase Data Connect」を紹介し、VSCodeのエミュレーターを使って試してみた内容を詳しく解説しています。Firebase Data ConnectはGraphQLを介してCloud SQL for PostgreSQLにアクセスし、データのCRUD操作が可能になる機能です。
手順としては、まずCloud SQLインスタンスを用意し、VSCode用の拡張機能をインストールします。ローカル環境でのPostgreSQL接続にはDockerを使用し、docker-composeでコンテナを立ち上げます。その後、Firebase CLIを使ってプロジェクトを初期化し、Data Connect用の設定を行います。これにより、GraphQLスキーマを利用してローカルのPostgreSQLにテーブルを自動生成し、データを操作することができます。
記事では具体的なセットアップ手順やコマンドの実行例、GraphQLスキーマのサンプル、VSCodeでの操作方法などが詳細に解説されています。GraphQLから生成されるSQLクエリの確認も行っており、複雑なデータ抽出やチューニングが必要な場合の懸念点も指摘しています。
記事の最後には、Firebase Data Connectの利点と課題、今後の期待についての考察が述べられています。特にローカルでの開発体験や、SQLでの柔軟なデータ操作が可能な点に感動したとしています。総じて、Firebase Data Connectは今後のデータベース操作において有望なツールであると結論付けられています。
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以上、今日紹介した記事を駆け足でおさらいしました。次回もお楽しみに!詳しい内容はショーノートに書いてあるので、ぜひチェックしてくださいね。そして、番組の感想もお待ちしています。では、またお会いしましょう。マイクでした!