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どうもー、おはようございます。マイクです。
ただいまの時刻は朝7時、「zenncast」のお時間です。今日は2025年12月2日、火曜日。
この番組では、Zennで話題になっているトレンド記事を、朝イチでサクッとチェックしていきます。通勤・通学の支度をしながら、耳だけ貸してもらえたら嬉しいです。

今日はお便りコーナーはお休みで、そのぶんたっぷり記事を紹介していきますね。

さて、本日ご紹介する記事は全部で5本です。
AIコーディングの実践環境から、Next.jsとTanStack Startの比較、tmuxとNeovimの集中できる環境づくり、Node.jsの危険なサンドボックス利用の話、そしてM365 Copilotで自社スタイルのPPTを量産する方法まで、かなり濃いラインナップになっています。

ではさっそく、1本目からいきましょう。

……。

まず1本目は「AIコーディング実践環境の構築方法【2025年12月】」という記事です。
こちらは、Claude Codeを中心としつつも、特定ツールにがっつりロックインしないAIコーディング環境の作り方をまとめたものです。キーワードは「仕様駆動開発」と「Lint/Formatによるルールベース自動化」、そして「複数ツール活用」と「まず試す」。
環境構築としては、nvmとnpmを使ってClaude CodeやCodex CLI、Gemini CLIといったツールを入れて、エディタはVS Code、LintやFormatにはRuffなどを組み合わせるスタイル。さらにGitHub CLIのghも導入して、コマンドラインからIssueやPRをガシガシ扱えるようにします。そして、mmcpを使ってContext7とかplaywrightといったMCPサーバーを一括連携して、仕様を最新のドキュメントから引けたり、ブラウザ操作までAIから触れるようにしてしまう。
開発プロセスもけっこう体系化されていて、まずはcc-sddで仕様書をAIに書かせて、それをGitHub IssuesやProjectsに連携して、スケジュールもAIに組ませる。その上で、実装・コミット・PR作成までAIにやらせ、人間はレビューと意思決定に集中する、という流れです。レビューも、1つのAIに頼り切るのではなく、GitHub CopilotやClaude Code用のプラグインなど、複数のAIで相互チェックするのが推奨スタイル。
筆者は「ツールはどんどん変わるけど、考え方とドキュメントの残し方を押さえておけば、将来ツールが変わっても怖くないよ」というメッセージを強く出していて、松尾研究所としてもAIコーディングを本気で推進していくよ、という宣言も込められています。AIにインフラを握らせすぎないバランス感、気になる方はぜひチェックしてみてください。

。。。。

続いて2本目、「TanStack Startを試してみたけど、もうNext.jsには戻れない」という記事です。
これは英語圏Xでちょっとした炎上……というか、大議論になった話題のまとめ兼、筆者の所感です。きっかけは「TanStack Startを使ったら、Next.jsに戻れなくなった」という投稿。これに対して、「Next.jsの挙動が“魔法”っぽくてブラックボックス気味」「ベンダーロックインがつらい」「型安全が完璧じゃない」といった批判が集まりました。
それに対してTanStack Startは、明示的な構成で、しかもViteエコシステムをフル活用できるのが魅力とされていて、「裏側で何してるか分からないより、自分で制御したい」というエンジニアからの支持が厚い。一方で、TanStack Startは記述量が増えがちだったり、ファイルルーティングが複雑に感じられる場面もあって、「これを全員に勧められるか」というと、そうでもないという意見もあります。
コメント欄では、「チーム開発ならNext.jsの“お決まりパターン”のほうが楽」という声もあれば、「そもそもReact RouterやAstroが好き」「SPA+TanStack Queryで十分」という別路線も登場していて、フロント界隈の分かれ具合がよく見える内容です。筆者自身は、use clientの扱いづらさや、Turbopackの将来性への不安、そしてTanStack Router含めTanStack系ライブラリの高いDXから、個人開発ではTanStack Startを使いたい、という立場。ただし、どっちが正義かではなくて、「プロジェクトの性質・チームのスキル・運用体制に合わせて選びましょう」という、非常にまっとうな結論に落ち着いています。Next.jsでモヤッとしている方、代替を探している方には刺さる内容だと思います。

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3本目は、「思考を減らしコードに集中するための tmux, Neovim 設定」という記事です。
こちらは、いわゆる“フルターミナル生活”派の方の、めちゃくちゃこだわり抜かれた開発環境の紹介です。テーマは「余計なことを考えず、コードだけに集中する」。まずディレクトリ運用から徹底していて、ローカルのプロジェクトは全部Gitリポジトリ化して、ghqで一元管理。さらに、tmuxのセッションを1リポジトリ1セッションにして、「どこで作業するか」を悩まない仕組みにしています。git worktreeもすべてghq配下に置いて、ブランチを切り替えても同じパターンで扱えるようにしているのがポイント。
UIもかなり削り込まれていて、Neovim側のstatuslineやwinbar、cmdlineなどはほとんど消してしまい、その代わりにtmuxのステータスラインやincline.nvim、modes.nvim、noice.nvimといったプラグインで必要な情報だけを分散表示。さらにVimadeで非アクティブなバッファを薄く表示して、視覚ノイズを減らす工夫もされています。
コードジャンプしたときに「さっきどこ見てたっけ?」となりがちな問題には、overlook.nvimで文脈を保ちつつ移動できるようにしたり、Sidekick.nvimでAI Agentとの対話をNeovimの中で完結させたりと、とにかくエディタから出ないで開発を完結させる思想。Git操作もSnacks.nvim経由でlazygitをフローティングウィンドウで出すことで、ターミナル分割地獄に陥らないようになっています。
最終的には、理屈より「自分が一番気持ちよく集中できる環境こそ正義」という締め方で、そのためにここまで環境を作り込んでいるのが伝わる記事でした。tmux+Neovim勢の方には、かなり刺さると思います。

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4本目、「【絶対ダメ】node:vmモジュールをサンドボックスとして使ってみた!!!!」という強いタイトルの記事です。
Node.jsのnode:vmモジュールって、「別のRealmでコードを実行するから、サンドボックスっぽく使えるのでは?」と思いがちなんですが、公式ドキュメントはっきり「これはセキュリティ機構ではないので、信頼できないコードの実行には使わないで」と書いているんですね。この記事では、その“なぜダメなのか”を具体的なテクニックと一緒に解説しています。
代表的なのが、this.constructor.constructorを通じてFunctionコンストラクタにたどり着き、そこから任意コード実行に持っていくパターン。ほかにも、Proxyのapply/get/setトラップを悪用して、ホスト側Realmが生成したオブジェクトを取り逃がさずに奪い取る方法や、Error.prepareStackTraceの挙動、error.nameやmessageのtoString呼び出しタイミングを突いてホスト側の情報にアクセスするテクニック、さらには最大スタック数エラーをわざと起こして、ホスト側Errorオブジェクトを得る方法など、「え、そんなところから抜け道になるの?」というトリックがたくさん紹介されています。
結論としては、「不信頼なコードをnode:vmで動かすのは本当にやめよう」という強いメッセージ。どうしても必要な場合は、isolated-vmやvm2など、セキュリティを意識して設計されている専用ライブラリを使うこと、そしてそれでも“脱出される前提”で設計することが大事だとしています。サーバーサイドでユーザー提供のコードを走らせるようなサービスを作っている方は、必読レベルの内容です。

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そして最後、5本目は「M365 Copilotで『自社スタイルPPT』を自動生成する方法」という記事です。
これ、かなり実務寄りで面白いです。Claude Opus 4.5とM365 Copilot、しかもGPT-5モードONの組み合わせで、「うちの会社っぽいデザインのパワポ」を自動生成させるという内容。まずはベースとなるpython-pptxのスクリプトをClaudeに投げて、「自社のフォント・カラー・レイアウトガイドライン」なんかを反映したコードに改修してもらいます。そこに、表紙・アジェンダ・定性/定量チャート・テーブルなど、ざっくり30種類くらいのテンプレート的なスライドを定義しておく。
次のステップで、このppt_generator.pyをM365 Copilotに添付して、「スライド構成ルール」「文字サイズの調整方針」「どのテンプレートをどの順番で使うか」といったルールをプロンプトで明示してあげると、Copilot側がコードを修正して実行してくれて、完成したPPTXのダウンロードリンクを返してくれる、という流れです。テキストメモや、ExcelにまとまったAI利用実績データみたいなものをインプットにして、数十ページ規模の資料を一気に作ってしまう例も紹介されています。
とはいえ、現状は挙動がかなり不安定で、「今日はPythonコード実行してくれないな」「ダウンロードリンクが出ないぞ」といったことも多いようです。その場合は、プロンプトを少し変えて再依頼したり、日を改めて試す必要もあるとのこと。それでも、「自社スタイルのPPTをAIが大量生産してくれる」未来をかなり具体的にイメージできる記事で、社内報告資料や提案書づくりに追われている方には、夢のある内容だと思います。

……。

というわけで、今日の「zenncast」、お届けした記事をざっとおさらいしていきましょう。
まずは、ツールに依存しすぎないAIコーディング環境と、仕様駆動でAIを開発プロセスに組み込む方法。
次に、Next.jsとTanStack Startの比較から見えてくる、「プロジェクトごとのフレームワーク選び」の話。
3本目では、tmuxとNeovimで「何も考えずにコードに集中できる」ための徹底した環境づくり。
4本目は、node:vmはサンドボックスじゃないよ、というセキュリティ的に超大事な警告。
そして最後に、ClaudeとM365 Copilotを組み合わせて、自社デザインのPPTを自動生成する実践テクニックをご紹介しました。

気になった記事があれば、詳しい内容はショーノートにまとめてありますので、そちらから元の記事もチェックしてみてください。
番組の感想や、「このテーマもっと深掘りしてほしい!」といったリクエストも、ぜひ送ってもらえると嬉しいです。あなたの一通が、この番組のネタ帳を潤します。

それでは、今日も一日ご安全に。
お相手はマイクでした。また次回の「zenncast」でお会いしましょう。バイバーイ。

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