どうもー、おはようございます。マイクです。
時刻は朝7時、2026年1月1日、木曜日。新年一発目の「zenncast」、今年もよろしくお願いします。
この番組では、Zennに上がっているトレンドの記事をピックアップして、エンジニアのみなさんと一緒にゆるっとキャッチアップしていきます。通勤中の方も、家でのんびりしている方も、コーヒー片手にお付き合いください。
今日はね、Zennのトレンドから5本の記事をまとめてご紹介していきます。
Pythonの爆速パッケージ管理から、CやC++のちょっとディープな世界、Neovimの小ネタ、そして生成AIでスライドを仕上げる話まで、技術初めにぴったりのラインナップになってます。
まず1本目。
タイトルは「Pythonパッケージ管理ツール『uv』はなぜこれほど爆速なのか?」。
最近、Python界隈で「pipじゃなくてuv使おうよ」って話、よく耳にすると思うんですが、その「なんでそんなに速いの?」をちゃんと腹落ちするまで掘り下げた記事です。
結論としては、「Rustで書かれているから速い」という以上に、「Pythonの歴史的負債をバッサリ捨てた設計」をしているからだ、という説明なんですね。
pipは長い歴史がある分、setup.pyを実行して依存関係を解決したり、古い.egg形式への対応、複雑な設定ファイル、システムPythonへのインストールなどなど、「互換性のためにやらなきゃいけないこと」をたくさん背負っています。
一方でuvは、pyproject.toml前提でsetup.pyは実行しない、.eggはサポートしない、.pycのコンパイルは遅延、仮想環境前提でシステムPythonは触らない、といった具合に、「やらないことを徹底的に決めている」。
そこにRustの低い起動コストや、並行処理、ゼロコピーといった実装上の強みも合わさって、「体感でわかるレベルの爆速」になっている、という話です。
著者の方は、新人さんに「pipじゃなくてuv使おう」と勧めたものの、理由をきちんと説明できるか不安になって調べた、という出発点もおもしろくて、「今どきの標準ツールをちゃんと言葉にして説明しよう」という姿勢が伝わってくる記事でした。CI時間短縮でチーム全体の生産性が上がる、という話も含めて、「ただ速いツール」じゃなくて「現代の標準を再定義しに来ているパッケージマネージャ」としてuvを捉え直せる内容になっています。
。 。 。 。
続いて2本目。
タイトルは「プログラムは main から始まるわけではない」。
C言語を習い始めると、「プログラムはmain関数から始まります」って、教科書に必ず書いてありますよね。でも実際には、ELF形式の実行ファイルではエントリポイントは`_start`というシンボルで、そこから「いろいろ準備してからmainが呼ばれる」という流れになっています。
記事では、`readelf`や`nm`でエントリポイントを確認したり、`gdb starti`で「本当にどこから実行が始まるのか」を追いかけたりしながら、カーネル → 動的リンカ → 実行ファイルの`_start` → main という起動プロセスを丁寧に整理しています。
特におもしろいのが「動的リンクされた実行ファイル」の話で、カーネルは最初に、実行ファイル本体じゃなくて `/lib64/ld-linux-…` みたいな動的リンカの`_start`を起動するんですね。そこで共有ライブラリのロードやシンボル解決が行われてから、ようやく自分のプログラムの`_start`に制御が渡り、それがlibcのスタートアップルーチンになっていて、スタック整えて、`argc/argv/envp`を用意して、ようやくmainを呼ぶ、と。
「プログラムはmainから始まる」は、初心者にとっては分かりやすい嘘なんだけど、その裏にはELFフォーマットやlibcのスタートアップ処理、動的リンカの仕組みがちゃんと動いているんだよ、というのがわかる内容です。低レイヤ怖いな〜と思っている方にも、実行ファイルの世界の入り口として読みやすくまとまっています。
。 。 。 。
3本目。
タイトルは「Vim/Neovimをquitするときに特殊ウィンドウを一気に閉じる」。
Vimmer、Neovimmerのみなさんには「あるある」な悩みだと思うんですが、`:quit`って実は「Vimを終了」じゃなくて「今見ているウィンドウを閉じる」だけなんですよね。
で、最近だとquickfixウィンドウとか、LSPのログ、AIチャット用のバッファみたいな、「編集用じゃない特殊ウィンドウ」がいっぱい開いていたりします。メインの編集ウィンドウを`:quit`で閉じると、それらだけがドーンと全画面に残って、「いや、そうじゃないんだよ」と。
この記事では、`QuitPre`イベントと`'buftype'`オプションを使って、「カレントウィンドウ以外が全部特殊バッファだったら、それらをまとめて閉じてから終了する」という仕組みを自前で作る方法が紹介されています。
Vim script版とNeovimのLua版、両方のサンプルがあって、設定ファイルにコピペしてちょっとカスタマイズするだけで使えそうです。
うれしいのは、「保存されてない通常バッファ」があった場合は、特殊ウィンドウだけ先に閉じて、そのあとちゃんと「保存しますか?」の確認が出るようにしているところ。
日々のちょっとしたストレスを、数十行の設定で解消してくれるタイプの記事で、「あー、これ欲しかった!」と思う人、かなり多いんじゃないでしょうか。
。 。 。 。
4本目。
タイトルは「列挙値(enum)から文字列への変換 in C++26」。
C++をやっている方なら、一度は「enumを文字列に変えたいんだけど、これ毎回switch書くのツライな」って思ったことがあると思います。
これまでは、手書きのswitchか、C++17以降ならMagic Enumみたいなライブラリに頼る、というのが定番だったんですが、Magic Enumはマクロとテンプレートメタプログラミングを駆使した、いわゆる「黒魔術」なんですよね。便利だけど、中身はなかなかのトリッキーさ。
そこでC++26。静的リフレクションと`template for`という新しい構文を使うことで、標準ライブラリの<meta>ヘッダだけで「enumの値を列挙して、その名前を文字列として取り出す」ということが、きれいに書けるようになります。
記事では、`^^`演算子や`[: :]`構文で型情報や列挙値のメタ情報を取り出し、`std::meta::enumerators_of`で列挙子のリストを取得しつつ、それを`template for`でぐるっと回して`enum_to_string`関数を実装する、という流れを解説しています。
とはいえ、現状の仕様だと、`template for`が`std::vector<std::meta::info>`を直接扱うとconstexprの制約に引っかかるので、`std::define_static_array`をかませて`std::span`経由で展開する、といったちょっとした工夫が必要で、まだ仕様としてこなれてない部分もあるよ、という指摘もあります。
将来的には、この辺りの制約がもう少しスムーズになるかもしれませんが、「ついに標準だけでenum↔文字列変換がかなり素直に書ける時代が来た」というのが伝わる内容になっていました。
。 。 。 。
そして今日ラスト、5本目。
タイトルは「【番外編】NotebookLMで作った『あと一歩で使えるスライド』を Nano Banana Pro でチューニングする」。
これは生成AI×資料作り、という文脈の記事ですね。
前回の記事で、NotebookLMとYAMLを使って「骨組みはいいんだけど、デザインがちょっと惜しい」スライドを自動生成する、という話があったそうなんですが、今回はそれを「どう仕上げるか」がテーマになっています。
やり方としては、まずNotebookLMが出してくれたスライドの中から、「構図はいいな」と思うページを画像として切り出します。それをNano Banana Proにアップロードして、「この余白を消して」「背景の縁をなくして」「文字色をもう少し濃く」「このアイコンだけ色を変えて」といった感じで、プロンプトで細かく指示していく。
ポイントは、「レイアウトそのものは崩さずに、色味・文字・余計な背景だけを整える」という使い方をしているところです。背景を真っ白にしたり、メインの図だけを透過PNGにして切り出して、あとで別レイヤーで合成する、みたいなワークフローも紹介されています。
これによって、「骨組みをNotebookLMが作る → 見た目の最終調整をNano Banana Proでやる」という二段構えができて、外部のデザイナーさんにお願いしなくても、一人でそこそこイケてるスライドまで持っていけるよ、という提案になっています。
著者の方の組織では、こういう生成AIをフル活用しながら、プロダクトを爆速で作っていくメンバーも募集しているそうで、「AIと一緒にモノづくりするのが当たり前になっていく未来」を感じさせる締めになっていました。
。 。 。 。
というわけで、今日のzenncastは、Zennのトレンド記事を5本ご紹介しました。
Pythonの新世代パッケージ管理ツール「uv」がなぜ爆速なのかという話から、「mainからじゃないよ」というCプログラムの起動プロセス、Vim/Neovimで特殊ウィンドウをまとめて閉じるちょっとした工夫、C++26の静的リフレクションでenumをスマートに文字列化する話、そしてNotebookLMとNano Banana Proを組み合わせたスライド制作のワークフローまで、一気に駆け足で振り返ってきました。
気になった記事があった方は、詳しい内容やキーワードはショーノートにまとめてありますので、あとでぜひチェックしてみてください。
番組の感想や、「こんなテーマ取り上げてほしい」「このツールの噂、実際どうなの?」といったリクエストも、どしどしお待ちしています。
それでは、新年最初の朝、ここまでのお相手はマイクでした。
今年も一緒に、楽しくテックを追いかけていきましょう。
また次回のzenncastでお会いしましょう。バイバーイ。