どうも、おはようございます。マイクです。
「zenncast」2026年2月21日、土曜日の朝7時台、お付き合いありがとうございます。
この番組では、エンジニアのみなさんに向けて、Zennで話題になっているトレンド記事を、ラジオ感覚でゆるっと紹介していきます。通勤や朝の支度のおともに、耳だけ貸してもらえたらうれしいです。
さて今日は、お便りコーナーはお休みで、そのぶんガッツリ記事を紹介していきます。
きょうピックアップする記事は、全部で5本。AIエージェント、ノーコード自動化、PowerPoint解析、gitの効率化、そしてEC2調査のセキュリティガードレールまで、けっこう盛りだくさんです。
それじゃあ、1本目からいきましょう。
まず最初は「AIエージェント × knipで無駄コードを簡単に掃除」という記事です。
JavaScriptとかTypeScriptを書いてる方、「このファイルまだ使ってたっけ?」とか「このパッケージ、もう要らない気がするけど怖くて消せない」みたいな、コードの“ゴミ屋敷化”問題、心当たりないでしょうか。
この記事で紹介されているのは、未使用コード検出ツール「knip」とAIエージェントを組み合わせて、プロジェクトのお掃除をまるごとAIに任せちゃうワークフローです。やることはシンプルで、AIに「knipを使って無駄コードを掃除して。buildやtestが今まで通り通ることも確認して。」とお願いするだけ。すると、インストールから設定、knipの実行、不要コードの削除、build/testの再実行まで、自動でぐるぐる回してくれるんですね。
おもしろいのが、もし削除しすぎてビルドやテストが落ちても、AIがそのエラーを見て「やり過ぎた」と判断して、自分で戻してくれるところ。さらに、どうしても誤検出になる部分は、knipのignore設定までAIが書いてくれます。OSSの「difit」というプロジェクトでは、この手順だけで約170行の不要コードと未使用ファイル・パッケージが整理できたそうです。
著者が強調しているのは、「AI時代のコーディングは、AIに自由に書かせるだけじゃなくて、lintやtest、knipみたいな静的検査をpre-commitやCIで自動実行させて、AI自身にエラーから学ばせるループを組むのが大事だよ」というポイント。コードベースを小さく保つこと自体が、AIが既存コードを理解しやすくするメリットにもなるので、「掃除も、掃除のための仕組みづくりも、もうAIにかなり任せられるよ」という提案になっています。.
続いて2本目は、「"世界変わる"——非エンジニアでもできる、 Claude Code による n8n ワークフロー開発」という記事です。
これは医療系スタートアップのUbieさんの取り組みで、「業務を一番よく知っている人が、自分で業務を自動化できるようにしよう」というチャレンジですね。使っているのは、ワークフローオートメーションの「n8n」と、AIコーディングツールのClaude Code。この組み合わせを「vibe coding」というコンセプトで基盤化しています。
ただ、n8nをそのまま社内に広めても、「ノード多すぎて難しい」「社内ルールが分からない」といった壁があって、非エンジニアにはハードルが高かった。そこで、n8n独自の仕様とか社内ルールを全部盛り込んだプロンプト集を作って、さらにn8n-cliやGitHub Actionsを用意した専用リポジトリを整備。AIエージェントがCLI経由でワークフローを生成して、そのまま適用できるようにしたんですね。
結果として、非エンジニアの人は「普段こういう手順で仕事してます」と自然言語で説明するだけで、とりあえず動くワークフローが自動で出来上がる。そこから先は、実際に動かしながら、自分で微調整していけるようになりました。
おもしろいのは、このプロセスそのものが「業務の棚卸し」になっている点です。普段なんとなくやっていた手作業を、AIに説明するために言語化するので、業務の可視化にもつながる。Ubieとしては、今後AIが作ったワークフローの品質データを貯めて改善しつつ、コミュニティにも知見を還元して、「業務をよく知る人が自動化まで自分でできる」世界を広げていきたい、という方針だそうです。現場主導のDXに興味がある方には刺さる内容だと思います。.
3本目は、「図形フル活用の PowerPoint を GitHub Copilot に読ませてみた」という記事です。
PowerPointって、テキストよりも図形や矢印で説明してるスライド、多いですよね。人間には分かりやすいけど、AIからすると「中身どうなってんのこれ?」状態になりがち。この記事では、OpenXML形式を理解できるClaude Opus 4.6を、GitHub Copilot経由で使って、「図形だらけのpptxから意味のあるMarkdownを起こせるか?」を検証しています。
題材にしたのは、同僚の方が公開しているFgCFコンテンツの、仮想ネットワーク設計スライドの特定ページ。指示内容もかなり攻めていて、「OpenXML SDKみたいな感じでpptxを解析して、図形やその位置関係、接続情報から意味を推測しつつ、mermaidの図も含んだMarkdownを出してね」という感じのプロンプトを投げています。
結果どうなったかというと、右下にある環境比較表はほぼ完璧に抽出。さらに、Azure DevOpsが絡んだ複雑な構成図も、矢印の向きなどにちょっとした違いはあったものの、概ね正確に再現できたそうです。つまり、「Copilot+Claudeクラスのモデルがあれば、図形メインのPowerPointでも、かなりの精度でMarkdown化できる」という手応えが得られたと。
ただ、著者はこれを「じゃあこれからも複雑なOfficeファイル量産してOKだ!」という免罪符にはしていません。むしろ、「AIに優しい一次成果物としてMarkdownを書いておいて、必要に応じてOfficeに展開する、っていうワークフローのほうがよさそうだね」という結論です。AIが強くなったからこそ、「人もAIも読みやすいフォーマット」を意識しよう、というメッセージになってます。.
4本目は、「gitのちょっとした手間を解決するCLI、gut-cliを作りました」という記事です。
gitって本体は強力なんですけど、「コミットメッセージどう書こう」「ブランチ名なににしよう」「PRのタイトルと本文考えるのダルい」みたいな、小さい面倒が積み上がりがちですよね。gutは、そういう「git周りのちょっとした手間」を、AIの力で自動化してくれるCLIツールです。
例えば`gut commit`を打つと、diffを見てConventional Commits形式のコミットメッセージを自動生成してくれます。`gut branch`や`gut checkout`では、issue番号や変更内容からいい感じのブランチ名を提案してくれる。`gut pr`を使えば、PRのタイトルと本文までAIが書いてくれます。他にも、stash名の自動付与、AIコードレビュー、マージコンフリクトの解決補助、変更内容やPR・ファイル履歴の要約説明、あいまいなコミット検索まで対応。
プロジェクトごとに`.gut/`ディレクトリ配下のテンプレートで、コミットやPR、ブランチ命名ルールをカスタマイズできて、`gut config set lang ja`をすれば日本語運用もOKです。AIのバックエンドはGemini、OpenAI、Anthropicの好きなAPIキーを使う従量課金型で、キーはOSネイティブのキーチェーンにkeytar経由で安全に保存されます。実装はTypeScript+Commander.js+Vercel AI SDK+Zod+simple-git。
面白いのが、Claude Codeみたいな汎用エージェントよりも、git操作に特化することでレスポンスを速くしようとしているところ。インストールもnpmから`gut-cli`をグローバルで入れて、`gut auth login`でAPIキーを設定すればすぐ使い始められるので、「とりあえずコミットメッセージ地獄から抜け出したい」という方には試しやすいツールだと思います。.
そして最後、5本目は「Claude CodeのようなAI エージェントにEC2を安全に調査させるSSMガードレールの設計」という記事です。
こちらはSREチームの事例で、「AIエージェントにサーバ調査を任せたいけど、本番環境で自由にコマンド打たせるのは怖いよね」という、みなさん気になるポイントに踏み込んでいます。やっているのは、SSHではなくSSM Run Commandを使って、読み取り専用のオペレーションだけを許可するカスタムSSM DocumentとIAM Policyを設計する、というアプローチです。
SSM Document側では、実行できるOperationをallowedValuesでホワイトリスト管理して、パラメータもallowedPatternでメタ文字や怪しい入力をAPIレベルで弾きます。シェルスクリプトの中でも、資格情報ファイル名っぽいパスをブロックしたり、realpathでパストラバーサルを防いだり、出力サイズやタイムアウトを制限したりと、多層的にセーフティネットを張っているんですね。
IAMポリシー側では、汎用的なAWS-RunShellScriptへのアクセスを明示的にDenyして、タグベースの制御で対象インスタンスを限定。さらに、Run Commandの実行ログがきちんと証跡として残るので、「誰が・どのエージェントが・いつ・どのコマンド相当のOperationを実行したか」を追えるようにしています。
この仕組みによって、SRE以外のメンバーやAIエージェントでも、安全に本番・開発環境の調査を実行できるようになった一方で、「allowlist方式なので、対応したい調査パターンが増えるたびにSSM Documentのメンテが要る」という課題も正直に挙げられています。AIエージェントに運用作業を任せていくうえで、「どこまでを許可し、どうガードレールを敷くか」を考えるための、具体的で参考になる事例でした。
というわけで、きょうの「zenncast」、駆け足でおさらいしていきましょう。
1本目は、knipとAIエージェントを組み合わせて、未使用コードの掃除を自動ループ化するワークフローの話。
2本目は、n8nとClaude Codeを使って、非エンジニアでも業務自動化ワークフローを作れる「vibe coding」基盤のお話。
3本目は、図形だらけのPowerPointをCopilot+Claudeで解析して、Markdown+mermaidに落とし込んでみた検証記事。
4本目は、コミットやブランチ、PRまわりの「ちょっと面倒」をAIで解消するgit特化CLI、gut-cli。
5本目は、AIエージェントにEC2内部調査をさせるための、SSMとIAMを使った安全なガードレール設計の事例でした。
気になった記事があれば、この後ゆっくり原文も読んでみてください。詳しい情報やキーワードは、番組のショーノートにまとめてあります。
そしてこの「zenncast」では、番組の感想や、取り上げてほしいテーマ、Zennで見つけたオススメ記事など、みなさんからのメッセージもお待ちしています。AIとの付き合い方や、現場での活用事例なんかも教えてもらえるとうれしいです。
それでは、そろそろお時間です。
今日も良い一日をお過ごしください。お相手はマイクでした。
また次回の「zenncast」でお会いしましょう。