どうも、マイクです。おはようございます。
2026年3月2日、月曜日の朝7時になりました。ここからの時間は「zenncast」、Zennでいまホットな記事を、ラジオ感覚でゆるっと紹介していきます。通勤・通学、そしてお仕事前のウォーミングアップに、耳だけ貸してもらえたらうれしいです。
今日はZennのトレンド記事を、全部で5本ご紹介していきます。技術寄りの話もあれば、AIとお金のちょっとドキッとする話もあって、なかなか振れ幅が広いラインナップです。ではさっそく、1本目からいってみましょう。
1本目は「Skillsで実現する軽量パーソナルRAG」という記事です。
著者の方は、もともとPostgreSQLとpgvector、それから大きめの多言語埋め込みモデルを組み合わせた、けっこう本格的なRAGサーバーを自作していたそうなんですが、「便利なんだけど、DockerとかMCPの設定とか、ちょっと重いよね」という課題感があったんですね。そこで登場するのが今回の主役、「Skills」と、軽量な「workspace-rag」。データベースはSQLite、モデルはmultilingual-e5-smallにして、環境依存をぐっと減らしています。導入も`uv sync`だけでOK、というかなりお手軽仕様。おもしろいのは、Skills規格に沿ってSKILL.mdとスクリプトを所定のフォルダに置いておくだけで、Claude CodeみたいなAIエージェントが、自律的にCLIコマンドとして呼び出してくれるところなんですよね。常駐プロセスも必須ではなくて、ただ「検索が遅くなる」のを嫌う人向けには、常駐HTTPサーバー版のスクリプトも用意されている、と。検索結果にはR²AGを参考にした関連度スコアもつけていて、AIが「どのドキュメントが大事か」を判断しやすくしています。自分の手元のワークスペースを、AIにとっていい感じの“知識ベース”にしてあげたい、でも環境構築で心が折れたくない…って人には、かなり刺さるアプローチだと思います。著者の方は関連する書籍や、自作フレームワークxangiによるAIアシスタント作りも紹介していて、「個人用のRAG環境をちゃんと育てていこうぜ」というメッセージが伝わってくる内容でした。....
続いて2本目。「GoとRustのざっくり性能比較」という記事です。
このあたり、気になっている方、多いんじゃないでしょうか。この記事では、2026年時点のGo 1.26.0とRust 1.93.1を、標準出力するだけのCLIツールと、JSON APIサーバーという2パターンでガチ比較しています。どちらもビルドオプションはかなり詰めていて、GoはCGO無効化とかシンボル削減、Rustは最適化レベルやLTO、panic=abortなど、実運用を意識したチューニング込みの勝負です。結果として、バイナリサイズとメモリ使用量はRustがダントツで小さい。CLIでもAPIサーバーでも、数倍レベルで差がついたそうです。実行速度やスループットもRustが1.1〜1.3倍くらい優位、ということで、パフォーマンスだけを見るとRustに軍配。ただし、コンパイル時間になると一気に逆転で、Goが6〜30倍速い。ここで「開発体験」という観点が効いてきますよね。試行錯誤をガンガン回したいときはGoが気持ちいいし、パフォーマンスとメモリフットプリントを極限まで攻めたいときはRustが頼もしい。この記事は「どっちが上か」じゃなくて、「用途に応じて使い分けよう」というスタンスでまとまっていて、計測用のリポジトリも公開されています。実測結果をざっと眺めるだけでも、言語選定の会議での“現実的な落としどころ”が見えやすくなる、そんな内容でした。....
3本目はクラウド・セキュリティ寄りの話題、「あなたはEntra IDを理解できる」という記事です。
Microsoft Entra ID、名前は聞くけどちゃんと説明できる人は意外と少ないかもしれません。この記事は、初心者エンジニア向けに、利用者目線と開発者目線の両方から、Entra IDの役割を丁寧に解説しています。ざっくり言うと、「企業ごとにテナントを持って、ユーザーやログインを一元管理する仕組み」で、社内システムはもちろん、SalesforceやZoomといった外部SaaSも、まとめてシングルサインオンに乗せてしまう基盤ですね。退職者のアカウントを一発で無効化できるので、セキュリティと運用の両方でメリットが大きい。技術的には「ログイン機能を極限まで高度に外部API化した、認証の抽象化レイヤー」と表現していて、ここがすごく分かりやすいです。JWTトークンと公開鍵暗号で偽造を防ぎ、アプリ登録やスコープで細かく権限を切り分け、BearerトークンでAzure内のリソース同士も安全に通信させる。人間とシステム、両方の“誰が何にアクセスできるか”を、クラウド時代の前提として支えている存在なんですね。しかも、多くの企業はMicrosoft 365やAzureを導入した時点で、もうEntra IDテナントを持っていることが多い、というのもポイント。「実はもう使ってるんだけど、ちゃんと理解してない」人に刺さる入門記事になっています。....
4本目は、LLM好きな方は要チェックの研究系記事。「例を増やしたらLLMの性能が下がる ── few-shot collapseの発見と検出方法」です。
一般的には、「few-shotでプロンプトに例を増やせば精度が上がる」と思われがちですよね。でもこの記事が紹介している研究では、実務寄りの4タスク、8モデルを対象に体系的に検証した結果、「例を増やすと逆に性能が落ちる」現象、few-shot collapseが確認されたそうです。おもしろいのはパターンで、あるショット数でピークを迎えたあと、さらに例を足すとスコアがV字に崩れるとか、zero-shotより8-shotのほうが成績が悪くて、モデルの順位まで逆転しちゃうとか。しかも、人間から見ると「賢そう」に見えるTF-IDFベースの例選択が、むしろ崩壊を引き起こしやすいケースもあるという報告です。背景には、長いコンテキストそのものの悪影響や、中間位置の情報をうまく扱えない性質、事前学習のバイアスとの競合などがあると考察されています。じゃあどうするのか、というところで登場するのが「AdaptGauge」という自動評価ツール。shot数ごとの学習曲線のAUCを計算したり、崩壊の有無やパターンを分類したり、レジリエンススコアで「変な方向に適応しにくいモデル」を数値化したりできます。例選択の手法どうしも比較できるので、「とりあえず例を増やしておけば安心」という気持ちに、かなり冷静なブレーキをかけてくれる内容でした。プロンプト設計や評価をしている人にとっては、実務に直結する知見だと思います。....
そして最後、5本目はちょっと毛色が違います。「AIに1円稼いでと言ったら何が起きたか」という記事。
タイトルからして気になりますよね。筆者の方は、5体のAIエージェントに「自走して1円稼ぐ」というミッションを与えたところからスタートします。最初はnoteの記事を売る作戦だったんですが、7日間売上0円という、なかなか苦い結果に終わってしまう。それを受けて大反省会を開き、「会議は禁止」「まず出してから直す」「72時間ごとに戦略見直し」「1日3つは実験する」といった、かなりストイックなルールを設定します。そこで方向転換したのが、AIが市場で実際のお金を運用する「実弾トレード」。元手3万円でGMOコインの暗号資産を24時間自動売買する仕組みを、AIたちと一緒に作っていきます。損失上限などのリスク管理もきちんと組み込みつつ、戦略としてはモメンタムと平均回帰、それにセンチメント分析を組み合わせたハイブリッド手法を採用。90日間のバックテストでは、なんと+42.8%の収益率を出したそうです。本番運用に移った2月25日時点では、DOGEとSUIのポジションで含み益+44円を達成し、目標の「1円」をあっさり突破。筆者は実装コードだけでなく、うまくいかなかった試行錯誤も公開していて、「AIが1円稼いだ瞬間に、ただの道具から経済的パートナーに見え方が変わる」というメッセージを投げかけています。読んでいると、自分でも何か小さく試してみたくなる、そんなワクワク感のある記事でした。
ということで、今日は全部で5本ご紹介しました。
1本目は、Skillsと軽量なRAGで、個人用ナレッジ検索をぐっと手軽にする話。
2本目は、GoとRustを実測で比べて、「性能のRust、開発体験のGo」というバランスを見せてくれた記事。
3本目は、企業のログイン基盤を支えるEntra IDを、利用者と開発者の両面から分かりやすく整理した入門。
4本目は、例を増やすと逆に性能が落ちる「few-shot collapse」と、その検出ツールAdaptGaugeの話。
そして5本目は、「AIが1円稼ぐ」ところから、AIと人間の関係を問い直すチャレンジングな実験でした。
気になった記事があれば、ぜひショーノートから元の記事をチェックしてみてください。ここではだいぶ駆け足なので、実際のグラフやコードの工夫、著者の方の試行錯誤は、本編で読むとまた違った発見があると思います。
「zenncast」では、番組の感想や、「こんなテーマを取り上げてほしい!」というリクエストもお待ちしています。仕事の合間に聞いているよ、とか、通勤のお供にしてます、なんて一言だけでも、すごく励みになります。
それでは、そろそろお別れの時間です。
今日も良い一日をお過ごしください。お相手はマイクでした。
また次回の「zenncast」でお会いしましょう。