どうも、マイクです。おはようございます。
2025年12月9日、火曜日の朝7時になりました。「zenncast」今日も元気にスタートしていきましょう。
この番組では、技術記事プラットフォームZennから、その日のトレンド記事をピックアップして、ゆるっと楽しくご紹介していきます。
今日はお便りはお休みということで、そのぶんたっぷり記事を紹介していきますね。
さて、今日紹介する記事は全部で5本です。
ターミナルでのメモ術、最新のJavaScriptバンドラー事情、モダンなUI設計の考え方、Reactコンポーネント設計の落とし穴、そしてElastiCache Serverlessの実運用ノウハウまで、幅広く攻めていきます。
まず1本目。
タイトルは「ターミナルでメモ管理 (Neovim, nb, zeno.zsh)」。
これ、ターミナル大好き勢にはたまらない内容です。
ポイントは「ディレクトリを意識しない」「どこからでもメモにアクセス」「ファイル名を悩まない」「自動保存+GitHubでバックアップ」っていう、紙のメモ帳みたいな気軽さを、全部ターミナルの中で実現しているところ。
キモになっているのが「nb」というCLIのノートツールで、notebookごとにメモを管理しつつ、設定ファイルでエディタや保存場所、GitHub連携、さらには絵文字表示まで細かくカスタマイズできます。
さらに「zeno.zsh」と組み合わせて、`nb edit`の番号補完とか、よく使う操作をスニペットで一発呼び出し。「nbe」で新規作成、「nbl」で一覧、「nbg」でGit管理…みたいな感じで、キーボードだけでサクサク回せる環境を作ってます。
シェル関数も凝っていて、URLを渡すとタイトル付きノートを自動生成したり、fzfのプレビュー付きで検索→そのまま編集に飛べるようにしたりと、「あ、これ実務でもそのまま使えるな」という工夫が盛りだくさん。
さらにNeovim連携で、bufferlineにノートタイトルを出したり、プラグインでの全文検索、ノート追加、画像のインポート、ノートや画像のリンク挿入までキーマップで完結。
ブラウザやGUIメモアプリに行かなくても、全部ターミナルの中で完結する「テキスト作業の基地」を作る、という思想が一貫していて、CLI派の方はぜひチェックしてほしい内容になっています。
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続いて2本目。
タイトルは「え?まだ "vite" 使ってるの? バンドラー 2025 まとめ」。
ちょっと挑発的なタイトルですが、中身は2025年のJSバンドラー界隈をめちゃくちゃ丁寧に振り返る総まとめ記事です。
筆者が未踏ジュニアで開発しているWeb画像編集アプリを実例に、「開発サーバの起動に30秒かかるVite環境」から抜け出すまでの苦労の歴史が語られます。
FarmやBunなど、話題になった高速ツールを試してはみるものの、「速度は速いけど、まだ安定性や互換性が不安」という壁にぶつかり続けるんですね。
最終的に落ち着いたのが、Rust製バンドラーRolldownを使う「rolldown-vite」。Vite互換の体験を保ちつつ、ビルドも起動もかなり高速化されて、しかも安定して動く、というところに辿り着いたというストーリーになっています。
記事自体は時系列で、Rspack、tsgo、Bun、Deno、React Compiler、Next 16、oxcやoxlintなどのVoidZero系ツール群、そしてVite+やVite v7/v8の流れまで、2025年のエコシステムを俯瞰できるように整理してくれているのがありがたいところ。
結論としては、「とりあえず昔のViteだけ使い続ける」のではなく、現時点ではrolldown-viteか、Vite v8 Beta(Rolldown統合版)を選んでおくと、速度と安心感のバランスがいいよ、という提案になっています。
フロントエンドのビルドまわりを見直したい方には、かなり濃いロードマップ的な記事ですね。
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3本目。
タイトルは「Compound Componentsで実現する『引き算のUI設計』」。
これはReactでUIを作っている方には刺さる内容です。
プロダクトが育ってくると、コンポーネントにBooleanのpropsがどんどん増えていって、「isXxx」「hasYyy」が乱立していく、あの現象……やったことある人、多いと思います。
結果として、内部は条件分岐だらけの「モノリスUI」になって、テストもつらいし、どこを変えるとどこに影響するのか、だんだん誰もわからなくなる。
この記事では、その状態から抜け出す方法として「Compound Components」というパターンを紹介しています。
Rootコンポーネントが状態とアクセシビリティをContextで一元管理して、子どもたちは見た目と役割だけに集中するスタイルですね。
例えばチャットの送信欄なら、`Composer.Root`の中に`Composer.Input`と`Composer.SendButton`を好きな順番・レイアウトで配置していく。Booleanで「この機能ON/OFF」というよりは、「JSXに書かない=その機能を削る」という“引き算”でUIをデザインする、という発想です。
さらに、render propsなどの合成パターンを使って、細かいレイアウト差異や、デザインの差し替えにも対応できるようにしておくことで、ベースはシンプル、拡張は柔軟、というバランスを保ちます。
最終的に得られるのは、「宣言的で、読むだけで何が起きているか分かるUI構造」。人間にもAIにも理解しやすくなり、安心して再利用できるコンポーネント設計を目指そう、という話になっています。
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では4本目。
タイトルは「Reactにおける共通コンポーネント設計のアンチパターン」。
こちらは、さっきのCompound Componentsと相性のいい「やっちゃいけない設計」をまとめた記事です。
まず1つ目のアンチパターンは、「HTML標準から外れたprops設計」。
例えばButtonコンポーネントで、`onClick`の型や`type`の扱いを独自解釈してしまうと、HTMLとして当然だと思っていた挙動が崩れて、使う側が毎回ドキュメントを読み直さないといけなくなります。
Reactでは`ButtonHTMLAttributes`などの標準型を継承して、そこから最小限だけ拡張する、というのが筋が良いよね、という指摘です。
2つ目は「何でもできる汎用props」。
Dialogコンポーネントに`actions`配列と`type`文字列だけ渡して、利用側で毎回同じボタンやロジックを書くような設計は、抽象化しすぎ。用途が決まっているなら「ConfirmDialog」「DeleteDialog」など、具体的なコンポーネントやpropsに分けた方が、呼び出し側のコードがスッキリして、バグも減ります。
3つ目は「共通コンポーネントがレイアウトまで支配すること」。
marginや周囲との余白、ネストした要素のスタイルまでコンポーネント側で決めてしまうと、別画面で使いたくなったときに、意図しない余白といつも戦うことになります。
背景色や角丸といった“中身”の見た目くらいに責務を絞って、余白や配置は使う側に任せる、という線引きが大事だよ、という話ですね。
こういうアンチパターンを避けておくと、時間が経っても使い回しやすく、チーム全体で扱いやすいデザインシステムになっていきます。
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そして最後、5本目。
タイトルは「世界で一番詳しい! ElastiCache Serverless for Valkey を約1年実際に運用してわかったポイント」。
名前のとおり、かなりガチな実運用レポートです。
ElastiCache Serverless for Valkeyの強みとして挙げられているのが、ECPUのスケールの速さとスパイクへの強さ、それから「Pre-Scaling」で事前に余裕を持ったスケールを仕込めるやりやすさ。
これによって、従来の「ピークトラフィックに合わせてノードサイズを決める」という設計から解放される、というのが大きなメリットだと語られています。
一方で、サーバレスならではの落とし穴も詳しく書かれていて、ストレージ料金はオンデマンドより高めなので、Max size設定やTTLのチューニングでメモリをちゃんと管理しないと、気がついたらコストが膨らむ可能性がある、という点。
課金対象のECPUは、単純なGET/SETだけじゃなくて、eval系コマンドも含まれるので、Luaでガンガン処理している人は要注意です。
さらに、エンジンは自動でマイナーバージョンアップされるため、古いバージョンに戻したくなった場合はdump/restoreが必要だったり、監視ではThrottledCmdsを「数分以上続いたときだけアラート」みたいな現実的な閾値にするのが良い、といった運用Tipsも具体的。
Pre-Scaling時のECPUの計算方法や、プライベートリンクエンドポイントにもコストがかかることなど、請求書を見て「あれ?」となりがちなポイントも網羅されています。
そしてre:Invent 2025で発表されたDatabase Savings Plansを組み合わせると、ECPUとストレージの両方をまとめて約30%削減できて、リザーブドインスタンスとの価格差もほぼなくなるので、「性能メリットを考えると、Serverlessを選びやすくなった」という結論で締めくくられています。
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というわけで、今日は
・ターミナルとNeovim、nbを使った「全部ターミナルで完結する」メモ環境の話
・2025年のバンドラー戦国時代を振り返りつつ、rolldown-viteやVite v8への移行を勧める話
・Compound ComponentsでBoolean props地獄から抜け出す「引き算のUI設計」
・Reactの共通コンポーネントでやりがちなアンチパターン3選
・ElastiCache Serverless for Valkeyを1年運用して見えてきた、スケーリングとコスト最適化のリアル
この5本をご紹介しました。
気になる記事があった方は、詳しい内容や元の記事へのリンクはショーノートにまとめてありますので、そちらからぜひ深掘りしてみてください。
「zenncast」では、番組の感想や「こういうテーマを取り上げてほしい!」というリクエストも常に募集しています。
ターミナル派のメモ環境、自分はこうしてるよ〜とか、バンドラー移行でハマった話、Reactのコンポーネント設計の悩み、ElastiCacheのコストとの戦いなどなど、ぜひ教えてください。
それでは、そろそろお別れの時間です。
ここまでのお相手はマイクでした。
また次回の「zenncast」でお会いしましょう。お楽しみに。お仕事・勉強前の方も、これから一日頑張っていきましょう!